そこが公園であることは、知っていた。
だが、いつの間にか。中央をなだらかな稜線にして。桜の若木が立っている。
しかも。その若い桜木に少女が登って居る。
双方が怪我しては、困るので。事故前にと、その方向へ足を向けた。
登ってる少女。細い枝ぶりに、足を延ばして冒険拡張中。
爺さん、説教の役得。この時とばかり。木の麓から、枝上の少女を見上げた。桜周りには、近所の幼女たち。花見してる、という声もある。見物の仲間の声援を受けて。
枝上の少女は、私を直視。余りの黒目の大きさに、たじろいだ。スマホ無しだから、撮影不可は、正解。
初々しく咲き誇る花、花、花の香を吸い込んだ中、桜の木と一体となった少女。
それを狙ったなら。直視は、なかったろう。10年後、その子が、ポトマック河畔のサクラの女王に選ばれても、不思議はない。
越冬用包帯を枝々に巻いてあるを見ながら。公の木だから、折らないでよ。
さくらが、その秘やかな匂いで、初め少女を似つかわしく呼び寄せたやも知れぬ。
退散すると、一戸建て分譲が数在り。更に建築中も見て。数人常駐らしき警備員。彼らのひとりに話しかけた。向こうにある、新築のスーパーは借地。なので、公園の向こうに地主が住居。その説明しながら。その方角の若木の桜と、まだ降りてない。
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ある軍歌がある。
それを、合唱した者は行き。聴いた者が、孫に伝えたやも知れぬ。
なにも、その歌でなくともよい。